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リストラによる生活苦からの借金を整理したい

任意整理で解決できる場合もある

「リストラで失業」したAさんの場合

リストラに遭う前のAさん(42歳)は、月収およそ45万円、ボーナスも年間130万円程度と、収入も安定していて、かなり豊かな暮らしぶりでした。
本人の他に、奥さんのK子さん(40歳)と長女(17歳)、次女(14歳)の4人家族です。
家は社宅で、家賃はすべて会社が負担し、Aさんの家では、すべての収入を生活費や娯楽費に回している状況でした。
いくらある程度の収入があるとはいっても、このような生活ぶりであったため、Aさんには貯蓄もほとんどありませんでした。
Aさん夫妻は、年齢や勤続年数が上がっていくと共に、収入も上がっていくことを、ただ漠然と期待していたようです。
そんな中、Aさんが会社から受けた解雇通告は、まさに寝耳に水のでき事でした。
350万円ほどの退職金を支給されたものの、それでしのげるのは一時のことです。
しかし、Aさん一家の暮らしぶりは、その後もあまり変わりませんでした。
Aさんは、「今まで通りで生活の心配はない」と家族に言い続けていたようです。

再就職はできたものの・・・

幸い、再就職先はすぐに見つかったのですが、収入は以前に比べると激減しました。
にもかかわらず、長い間の生活習慣はすぐには変えられず、生活水準を下げることはできませんでした。
だんだんと退職金も食いつぶしていきましたが、現在の収入もわきまえずに、新車を買うためにローンを組むような始末でした。
こうした支出は、すぐに家計を圧迫してきます。
そしてついには、生活費をまかなうためにクレジット・カードのキャッシングでの借り入れが始まりました。
やがてその返済もままならなくなって、次に手を出しだのが消費者金融(サラ金)です。
それから多重債務で身動きができなくなるまでは、あっという間でした。
大手の業者から借り尽くしてしまうと、他に貸してくれそうなところは、中小の危なそうな業者ばかりになってきました。
Aさんは、妻にも相談し、ようやくこの段階になって、弁護士に相談する決意をしました。
Aさん夫妻が法律事務所のドアをノックしたときには、すでに、信販会社のクレジット・カードによる借金が5件、さらに大手を含む消費者金融からの借入れが7件、債務総額は850万円に膨らんでいました。
両親のもとを訪ねたAさん夫妻が、それぞれの両親から、かなり厳しく説教されることになったのは、言うまでもありません。
それでも、弁護士と相談している経緯を十分に説明して、2人の決意も話し、結局、Aさんの両親から500万円の援助を受けることができました。
その500万円は、任意整理による分割返済の際の頭金として、残りは月額8万円を支払うことで、すべての債権者との和解がまとまりました。
この間、債務額も、和解交渉の結果25%ほどに圧縮できたため、約3年で完済する見込みがでてきました。

アドバイス

このAさんのケースでは、両親からの援助がなければ、おそらく自己破産しか道はなかったと思えます。
サラ金からの借金は、時間がくればなくなるのでしょうが、よく考えれば、両親に対しては500万円もの迷惑をかけ、しかも、サラ金には200万円程度の支払をするわけですから、本当にこういう選択がよかったのかどうかは疑問です。

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住宅ローンの返済ができそうもなく困っている

個人民事再生であれば家を手放さなくてすむ可能性がある

当初は返済できる予定だった

運送会社に勤めるBさんは妻と小学生の息子と娘の4人で賃貸アパートに暮らしています。
「子どもが大きくなってきたので家を買おう」と思い、不動産屋に行き、話を聞いていると、若いセールスマンから「この物件はどうですか。ローンの返済額は毎月の家賃とほとんど変わりません。それで持ち家になるのですから買った方が断然お得ですよ」と、月々の返済額が約9万円の30年完済のプランを提示されました。
決して軽い負担ではありませんでしたが、月収がおよそ40万円あり、返済できないことはないと思いました。
その後、妻と相談し、ローンを組んで家を買おうと、購入を決断し、契約書にサインしました。
マイホームが手に入ると思うと心が躍る気持ちでした。

不況そして失業

契約後、約8年間は、予定通りのプランで返済していました。
ところが、3~4年前から会社が深刻な不況に陥り、給料が2割ほど下がりました。
それでもなんとか返済していたのですが、会社の業績は回復せず、円高の影響もあって取引先からの受注も減少し、2年前、会社からリストラされました。
失業手当のおかげでなんとか生活はできるのですが、ローンの返済は到底できず、銀行の担当者からも、「もう無理でしょう、家を手放すしかないですよ」と通告されています。
やはり、家を手放す以外に途はないか、とBさんは途方に暮れています。

アドバイス

住宅ローンが支払えなくなった場合、個人民事再生または自己破産を利用するとよいでしょう。
個人民事再生は再生型、自己破産は清算型の借金整理方法といわれます。
破産の場合、債務者の財産が清算されるので、自宅を失うことになります。
一方、個人民事再生を利用すれば自宅を守ることができます。
どちらも裁判所を通した手続きです。
個人民事再生は、債務者が破産してしまう前の再起・再建を可能にするための手続です。
具体的には、債権者に既存の債務の一部を支払い、残りの債務は免除してもらいます。
債権者に支払う一部の債務も、債務の返済方法を定めた再生計画にしたがって、原則として3年以内で支払います。
住宅ローンがある場合は、再生計画に住宅資金特別条項を設けることによって、住宅ローンについてはこれまでどおり支払いながら(または返済期間の延長や元本猶予などをすることもできます)、他の債務を圧縮して支払うことができ、これにより住宅を失わずにすみます。
自己破産は、財産を清算し、債権者に支払う制度なので、自宅を失うことになります。
そのため、自己破産をすることには抵抗がある人もいると思います。
しかし、自己破産をしてもすぐに家を出て行かなければならないわけではありません。
自己破産をすると不動産は競売にかけられることになりますが、通常、買い手が売買代金を支払うまでは住み続けることができます。
場合によっては、破産手続開始の申立てをしてから家を出なければならなくなるまで1年以上かかることもあります。
自宅を失うのは大きなショックでしょうが、こうした時間を利用して、次に住むところを探し、生活を建て直すことも十分に可能といえます。

カード・ローンでたまった借金を整理したい

支払不能の判断はケース・バイ・ケース

クレジット・カードはたしかに便利だが

Cさんがクレジット・カードを利用し始めたのは10年ほど前でした。
もともとはあまりクレジット・カードでの買い物は好きではなかったのですが、何回か利用しているうちに、ずいぶん便利なものだと思うようになりました。
最初は、給料日前のお金がない時に、買い物をしたり、ちょっとお金を借りたりと、ムリのない範囲で便利に使っていました。大手の信販会社のカードだったこともあって、金利が実はサラ金並みに高いものであるということも、気にとめていませんでした。
使い始めの頃は、支払いのことを考えてカードを使っていたのですが、そのうちに、だんだん高額の買い物をするようになり、カードを利用して旅行したりするようになってしまいました。
当然、月々の返済額は増えていきます。
それでも、毎月の給料やボーナスで何とか返済はできていたのですが、ある事情から会社を辞めざるをえなくなって、状況が一変してしまいました。

失業、そしてサラ金へ

Cさんは、まだ若かったこともあって、次の就職先が比較的簡単に見つかるものだと安易に考えていたフシもあったのですが、折からの経済不況の中、思うような就職先はなかなかありませんでした。
それでも、雇用保険の失業手当(基本手当)を受けているうちはまだよかったのですが、その給付が終わった頃から、とうとう返済が厳しくなってきました。
ついに、クレジット・カードの返済のために、サラ金や街の金融業者からも借金をするようになり、現在では、信販会社への返済に加えて、サラ全数社への返済もしなければならない状態です。
半年ほどして、何とか就職先は見つかったものの、その間に利息は膨れ上がり、4年経った現在では、借金の総額は600万円を優に超え、手取り25万円ほどの月収では、生活費をギリギリに切り詰めても、利息の支払いもままならない状態です。
仕事を終えてアパートへ帰っても、サラ金や信販会社からの取立てを恐れて、部屋の電気もつけず、息をひそめているしかありません。

アドバイス

自己破産が認められるためには、破産原因である支払不能の状態に陥っていることが必要です。
ただ、借金がどれくらいなら支払不能といえるのか、という明確な基準はありません。
支払不能かどうかの判断は、債務者の財産・職業・給与・信用・労力・技能・年齢や性別など、さまざまな事情を総合的に判断して、ケース・バイ・ケースで判定されます。
毎月の利息の支払いすらも困難な状態になっていることは、支払不能の一応の目安ではありますが、たとえば、生活保護を受けているような場合には、負債総額が120万円~150万円程度の借金でも支払不能とされます。
逆に、収入の多い人は、負債が数百万円に達していても、支払不能とはされません。
ここで挙げられているCさんの例のように、手取り月収25万円ほどで、負債総額が600万円というような場合には、支払不能といえるでしょう。

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